豊島の棚田 唐櫃 |
さあ、いよいよ最後の島の目的地、豊島までやってきました。事前に購入したWebチケットで豊島美術館(14:30)を目安にほかの作品を観て回ります。この辺りになってやっと、ゆったり流れる島時間にも慣れてきました。
*前日までに足を運んだところの記事*
1日目: [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 犬島
2日目: [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 直島
3日目(1/3): [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 女木島
3日目(2/3): [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 男木島
3日目(2/3): [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 高松
まずは船を降りた家浦港周辺から。
トビアス・レーベルガー
≪あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする
(日本フランチャイズバージョン)≫
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漁港の前の民家をまるごと改装したドイツの作家トビアス・レーベルガー。1階が線、2階が水玉で床や壁、家具に意匠が施され、特に1階は、四方に伸びる無数のストライプに心地よく平衡感覚を奪われて、思わず一歩一歩が慎重に。2階は窓にまで楕円がプリントしてあって、青々した海と空が、また違った視点で楽しめます。「イル ヴェント」というカフェも併設。筆者が訪れた夏会期は日曜のみの営業でした。
作品名もとても意味深。「日本フランチャイズバージョン」という文言が気になり少し調べてみました。ヴェネツィア・ビエンナーレ2009で発表された同じ作品名の記事はこちら(英語)。
横尾 忠則 ≪豊島横尾館≫ |
夏の日差しに照らされて緑が眩しい豊島の水田。
大竹さんの≪針工場≫に向かう途中、可愛らしい木造の教会を見つけました。
大竹 伸朗 ≪針工場≫ |
バスの時刻を確認して、ちょっと早めにお昼ご飯。豊島横尾館そばの「てしまのまど」で島の恵みをいただきます。この日の日替わりはアジ南蛮。一品一品がとても丁寧に作られていて、心もおなかもホッと一息。
さてさて。今度はバスに乗って唐櫃浜へ。
イオベット&ポンズ
≪勝者はいない─マルチ・バスケットボール≫
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クリスチャン・ボルタンスキー ≪心臓音のアーカイブ≫ |
瀬戸内の島々を巡ってきて、一番心に残った≪心臓音のアーカイブ≫のそばの海岸。作品を観終えて外に出ると、レンタサイクルの集団がちょうど去った直後で人っ子ひとりいなかったのです。世界中の人の鼓動に耳を澄まし、自分の心臓もそれに合わせて波打つような不思議な体験をしたあとの白い海岸と静かな海。そのまま海に入っても、どこまでもどこまでも潜っていけて、海水と同化してしまえそうな・・・。自分もこの広い世界の一部であることを再確認できた、そんな作品でした。本当に美しかった。
静かな海岸を後にして。
唐櫃港へ戻り、いよいよ豊島美術館を目指します。
豊島美術館 |
バスを降りると目の前に広がるのは、一面に輝く豊かな棚田。棚田を背に美術館の入口へ。靴を脱いで中へ入ると、とても静かで、少しの物音も壁をつたって響きます。足音、風の音、水が流れる音。涼しい。絵画も、彫刻もない、何もないような錯覚を覚え、いればいるほど身体の全感覚が研ぎ澄まされます。ほとんどの人が横になって空を眺めたり、水の音に耳を澄ましたり。みんな、外のカンカン照りの中からやって来たと思えないくらい穏やかな表情。私も、これまでの旅や旅の準備ために割いた時間をまっさらな気持ちで振り返ることができたとても貴重なひとときでした。
ひんやりしたコンクリートの白い床にいつまでも身をゆだねていたい気持ちを抑えつつ。最後は再びバスに乗って甲生地区へ。
ケグ・デ・スーザ ≪豊穣:海のフルーツ≫ |
オーストラリア出身の彼女が作品の素材に選んだのは海藻。海藻のインスタレーションは家屋の奥までトンネルのように続いていて、突き当りではもうひとつの作品に出会えます。島に伝わる郷土料理を一緒に作った映像もとっても素敵でした。
≪豊島八百万ラボ≫ |
瀬戸芸2016の新作のひとつ≪豊島八百万ラボ≫。スプツニ子!さんの≪運命の赤い糸をつむぐ蚕 - タマキの恋≫という映像作品が研究室のような内装にリノベーションされた室内で観られます。≪心臓音のアーカイブ≫や豊島美術館で味わった感覚とはまったく異なるユニークな視点。そして会場スタッフの制服はなんとまあ巫女さん風。それに気付くと、受付の外まで出てきてくれて写真を撮らせて下さいました。ちなみに巫女さん風のスタッフ、ラボの中にももうひとり。しかもおふたりとも見るからにメガネをかけてリケジョな感じ、、、。
塩田 千春 ≪遠い記憶≫ |
塩田 千春 ≪遠い記憶≫ |
作品の向こうに覗く水田と調和していてとってもキレイ。≪遠い記憶≫の後ろの坂道をさらに進むと、アメリカのマイク+ダグ・スターン≪Big Bambú≫という作品が観られるのですが、帰りは直島(本村)行きの最終便に乗る予定だったので、乗り遅れないように早めにバスで家浦港へ戻ります。島内の随所にある小さな青い看板に「この作品までは〇分」と必ず書かれ、鑑賞の目安になる上に、ほかの地区でもバスに乗り遅れることはありませんでした。
家浦の船着き場にて |
当初の予定では午前中に犬島へ行き、午後だけでコンパクトにまわろうと考えていた豊島。それもあって、渡航の1ヶ月ほど前に豊島美術館のWebチケットを14:30で購入しましたが、1日充てて正解でした。また訪れることがあれば次回は島キッチンなどがある唐櫃岡地区にも足を運びたいですね。ただここで昼食を取ろうとする人は本当に多いようで、行った日の瀬戸芸スマートフォン向け公式アプリのアートナビによると、昼食時の前ごろから整理券を配布していたようでした。
それからここは上陸する前に少し多めに小銭を作っておくと良いですね。「豊島のバスには両替機がない」というのを公式ガイドブックで目にしていたので、筆者はバスを利用する前に立ち寄ったところで一万円札で支払おうとしたところ少々閉口されてしまいました。
それでも、ここはまた来たいと思える島です。
さてさて。4泊5日の島巡りももうおしまい。
明日は瀬戸内海をあとにして福岡へ帰ります。
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9:00すぎ 「くるむ」 出発
本村港までは車で向かいます
9:30 本村港駐車場 着
9:40 直島(本村) 発 高速船 増便
10:00 豊島(家浦) 着
船を降りてすぐ「家浦港案内所」にて今日は本村-家浦間の船が
増便しているのか尋ねる。案内所スタッフも朝の増便は知らなかった
もよう。帰りは最終便に乗ると話したところ、「整理券を配布するので
余裕を持って帰ってきて」と言われる。
家浦地区を散策
11:20 昼食 「てしまのまど」 アジ南蛮定食(日替り)
11:57 豊島公民館前 発 バス(東廻り線)
12:20 唐櫃港 着
唐櫃浜地区を散策
14:05 唐櫃港 発 バス(西廻り線)
14:08 豊島美術館前 着
14:30 豊島美術館
ミュージアムショップでおみやげ購入
15:08 豊島美術館前 発 バス(東廻り線)
15:21 甲生集会所 着
甲生地区を散策
16:21 甲生集会所 発 バス(東廻り線)
16:30 家浦港 着
最終便の整理券をもらう
案内所でおやつを食べてひと休み
17:35 豊島(家浦) 発 高速船(最終便)
17:55 直島(本村) 着
直島(宮浦)ではなく、直島(本村)の船を利用したのは、
宮浦便よりも本数が多く、最終便の出発時刻も遅い時間が
あったからです。
18:30 「くるむ」 帰
19:30 お夕飯 「麺処 希信(きしん) 直島店」
21:30 「くるむ」 帰
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4日目(データ)
ウォーキングの距離:12.1km
歩数:16,428歩
上がった階数:2階
~iPhone6sアプリ「ヘルスケア」より
おてんき:はれ☀
最高気温:35.9℃
~Yahoo!天気・災害「過去の天気」より(香川高松)
◎ 瀬戸内国際芸術祭2016ではこんなところにも行きました!
1日目: [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 犬島
2日目: [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 直島
3日目(1/3): [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 女木島
3日目(2/3): [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 男木島
3日目(2/3): [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 高松
5日目: [瀬戸内国際芸術祭2016 夏会期] 宇野、直島ゲストハウスくるむ
※最終更新:2016年10月